皆様おはようございますこんにちはこんばんは。
最初にお断りしておきますが、当記事のタイトルは某家庭用ゲーム機器メーカーとは一切関係ありません。ご了承下さい。
さて「かわぐつ=革靴」について。自分にとっては高校生時代に通学で履き潰したのを最後に今では仕事でもプライベートでも履くことが殆ど無くなった革靴。とは言え一足は持ってないと(結婚式や葬儀などの場で)流石にヤバイと感じ、数十年前に黒い革靴を買ったのが(本当の意味で)最初の一足。以後、雑誌やネット記事、業界の関連動画などの影響を受け、気が付けば靴棚は革靴で溢れかえり、今では合計15足。このままでは靴棚の肥やしにしかならず、革にカビが発生して異臭を放ち始めるかも知れない。そうなる前にこの場を借りて紹介していこうと思います。記事にすることで自分自身が革靴と向き合う機会を増やし、また新たな読者層やマニアを増やし、微力ながら経済効果も望めればなんて下心もあったりなかったり…。
購入した順番に①~⑮と通し番号を付けて紹介します。でも一度に15足全部紹介すると記事そのものが冗長になってしまうので、3~4回に分けて投稿致します。靴の写真はもちろん、着用モデルも掲載します(写真もモデルも素人です)。業界用語が頻出しますので、分からない場合はワード検索するかブラウザバックして下さい。
紹介した靴に関するレビューはあくまで個人的意見です。読者の中で同じ靴を所有している人やそれこそ業界内の人がいたとしても、それぞれの生活スタイルによって見解に差が生じてしまうことをご了承下さい。また靴そのものにも個体差があることをご理解下さい。
※モデル情報※
・身長170cm。体重70kg。
・年齢:おっさん
・見た目:おっさん
・職業:おっさん
・足のサイズ:25.5cm弱(左足のほうがやや大きい)
・体型:中年太り
①【オールデン 9901】

メーカー:Alden(アメリカ)
型番/通称:9901
形式:プレーントゥ
カラー:ブラック
サイズ:US7.5
革:コードバン(馬)
靴重量:1350g
記念すべき最初の一足。前述のとおり、結婚式や葬儀に履いて行く靴を持っていなかったことが購入のキッカケ。靴の選択において、スーツだけじゃなくデニムにも合わせられそうなワガママ仕様の靴を考えたら「黒のプレーントゥ」になって、どうせ買うなら多少高くても一生モノをと考えてファッション雑誌を読み漁った(当時の自分はネット検索できる環境が整ってなかった)結果、辿り着いたのがこの「オールデン9901」ってワケ。購入当時はオールデンのこともコードバンのこともよく知らず、正直雑誌の口車に乗せられた感は否めないが、今ではその選択が間違いじゃなかったと大満足している。
とにかく「迷ったらこれ履いておけ」と断言できるくらい、合わせられるトップス(服)の守備範囲が広い。これを履くと足元だけじゃなく全体のファッションをビシッと引き締めてくれるほどの凄みがある。何よりコードバン特有の「深い履きシワ」と「シワの線に沿って波のように照り返す奥深い艶」が素晴らしい。今回紹介する中で一番ヘビロテしている靴(単にコレクションの中で一番古いからってだけではない)。高い買い物だがそれでもキチンと回収できるだけのパフォーマンスがある。

カットソー:Saint James
ジーンズ:Red Card
欠点を挙げるとすれば、傷や汚れが付かないように(他の革靴よりも)過度に気を使ってしまうことや、ファッション全体が引き締まりがちになるために独特の「抜け感」を演出しにくいこと。雨の日に履けないこと。そして何より材料の希少性や為替レートの都合、更には「オールデンと言えばコードバン。コードバンと言えばオールデン」とまことしやかに囁かれるブランド信仰により、現在では「清水買い」レベルに値段が上がっていることでしょうか(品質相応とはとても言えないレベルで…おっとw)。
※どーでもいい(大事な)情報※
コードバン(馬)に限らず、革製品の「元」となる動物は初めから革製品用として飼育されてはいない。それが野生動物であろうが革製品のために動物の命を奪う行為は世界レベルで禁止されている。だから世に出ている革製品の元の動物は食用として命を奪われた動物だったり、事故や病気や老衰で命を奪われた動物だったり、それらの皮を頂戴して加工されている。ちなみに最近のトレンドである「ウマ娘」に絡んで話すと、競走馬の皮はコードバンの加工には不向きで、実際のコードバンは農耕馬の皮を加工しているらしい。先述の「材料の希少性」とはすなわち農耕馬がどんどん減っている(=機械農耕に移行している)ことに起因している。
[5項目自己採点(25点満点)]
ルックス:4.5
履き心地:4.5
汎用性:5.0
コスパ:4.5
満足度:5.0
合計:23.5
②【ジャラン・スリウァヤ 98551】

メーカー:Jalan Sriwijaya(インドネシア)
型番/通称:98551
形式:プレーントゥ
カラー:ボルドー
サイズ:EU40
革:コードバン(馬)
靴重量:1042g
先述の「①オールデン」を、いや正確にはコードバンの靴を非常に気に入ってしまい、色違いでもう一足買ってローテーションしようかなんてアホな考えまで巡っていました。なぜアホなのか?…今も昔も貧乏サラリーマンの自分にとってオールデンのコードバンは2足目3足目とホイホイ買えるような金額ではないからです(コードバンの靴が高額なのは何もオールデンに限った話ではない)。
そんなある日のこと、本屋でファッション雑誌を立ち読みしていると(買えよw)、「コードバンのプレーントゥがオールデンの半額以下」との記事を発見しました。価格はもちろんのこと「限定100足」の謳い文句に負け(オタクは「限定」の二文字に弱い)、記事の情報を脳内インプットして本屋を離れ(だから雑誌買えよw)、その週末に取扱店(渋谷)まで行って指名買いしました。
※インドネシアは革靴に関税がかからないため、安く購入できます。
外観や手触りから「①オールデン」にコードバンを卸しているホーウィン社とは別のタンナー製のコードバンを使用しているんだろうなとはすぐ気付きました(後にCOMIPEL社のものと判明)。オールデンを贔屓するワケじゃないが、個人的にはホーウィン社のコードバンのほうが好きかも。「①オールデン」に比べてトップリフトがやや高く、甲のスペースに少し余裕があり、これらが履き心地にビミョーな差を生み出している。

ジャケット:Kinloch Anderson
Tシャツ:Champion
パンツ:Journal Standard Relume
写真では分かりにくいが実物の靴のボルドー色は陽に当たると赤味が強く映えてしまい、トップス(服)とのバランスが崩れる傾向がある。もっとたくさん履き込んで(経年変化させて)、履きシワがより深くなり、色味がより渋くなってくれれば、コーディネートの幅も広がるかも知れない。そんな期待も込めて、靴クリームにはバーガンディ色のものに少しだけ黒を混ぜた色を使ってメンテしている。
[5項目自己採点(25点満点)]
ルックス:3.5
履き心地:4.0
汎用性:3.0
コスパ:3.5
満足度:3.0
合計:17.0
③【レッドウィング ベックマン】

メーカー:Red Wing(アメリカ)
型番/通称:9011/Beckman
形式:ワークブーツ
カラー:ブラックチェリー
サイズ:US7.0
革:フェザーストーン(牛)
靴重量:1458g
正しくケアさえすれば多少の雨ならスムースレザーの靴でも大丈夫。とは言え誰が好き好んで最初から雨の日にスムースレザーの靴を履くのか。ましてやコードバンにとって雨は大敵である。革が水を吸って膨張して艶が無くなり、そのまま放置すると雨染みやカビの原因にもなる(後者はコードバンに限った話ではないが)。雨の日でも気兼ねなく履ける革靴がないか調べて、辿り着いた答えがワークブーツでした(振れ幅大き過ぎィ!)。
購入当時、自分の生活スタイルの中にワークブーツは入っていませんでした。「脱着が大変そう」とか「持ってる服に合わせにくそう」ってのが原因です。気持ちが定まらないまま渋谷のレッドウィング取扱店を訪問。ベックマン実物を手に取り、店員の話を聞き、試着して、見た目と雰囲気に惚れて、結局即日購入しました(ちょろインw)。試着の時にも感じたが、予想通り脱着は他の靴より遥かに面倒。出先で座敷に上がる用事とかあったら詰みですね。まぁその不器用さとか堅牢さとか無骨さがベックマンの魅力なんだけどw

ダウンベスト:Remi Relief
カットソー:Saint James
パンツ:Dickies
自分が購入した頃のモデル「90XX(=9000番台)」はソールがウレタン製でした。ウレタンは時間経過とともに加水分解を起こし、ボロボロと剥がれ落ちる性質があります。これは靴を履こうが履くまいが起こってしまうワケで、自分のベックマンも例外なくソールが剥がれ落ちました。つーことで地元の修理店にリペアを依頼。ビブラムソールに付け替えて頂きました。
※現行モデル「94XX(=9400番台)」はソールがラバー製なので加水分解の心配なし
靴購入と合わせてメンテ用のミンクオイル(缶入りペースト)を購入したのだが、後から調べたところ、「日本の気候(湿度)ではミンクオイルを塗りすぎるとカビやすくなるかも」って情報を知り、今はメンテ時にレザーミルク(靴だけじゃなく革ジャンや財布などあらゆる革製品に適応のタイプ)を使用している。で、先のミンクオイルは靴紐に塗って補強や保湿をしています。これならベックマン以外の靴紐にも使える♪
※ミンクオイルは上手に塗れば革の保護・保湿、そして革を柔らかくして履き心地を良くする効果が望めます
[5項目自己採点(25点満点)]
ルックス:4.5
履き心地:3.0
汎用性:2.5
コスパ:3.5
満足度:4.5
合計:18.0
④【パラブーツ シャンボード】

メーカー:Paraboot(フランス)
型番/通称:710708/Chambord
形式:Uチップ
カラー:マロン
サイズ:UK6.5
革:リスレザー(牛)
靴重量:1163g
先述の「③ベックマン」はポテンシャルもパフォーマンスも素晴らしいのだが、冷静に考え直してみると、雨の日用として選んだ靴とは言え流石に(ドレスシューズからワークブーツへと)振り切ったベクトルが激しかった。そこでもう少し気軽に履ける全天候型の革靴は無いものかと調べてみて、某ファッション系動画で採り上げられていたこの靴にひと目惚れしたワケ。シャンボードの茶系にはマロン(茶)とカフェ(濃茶)の2種類があり(他に黒と紺がある)、経年変化でアッパーが濃い色に変化するのを考慮してマロンを選択。カフェの経年変化もグッと渋く深い濃茶になるのは予想できたし、それはそれで魅力あったんだけど、マロンのほうが色の経年変化が分かりやすくて楽しめるかなと考えました。
※気軽に履ける靴を探していたのに、辿り着いたシャンボードは気軽に買える価格帯ではなかったと言うオチw
先の①~③を購入した時には横浜に住んでいたので都内にある各メーカーの取扱店まで行くのは楽だったのだが、その後茨城(の県庁所在地じゃないところ)に移住したためにメーカー取扱店が自宅から非常に遠くなってしまった。これなら水戸にある取扱店と都内にある旗艦店を比べても行く時間と距離も変わらないじゃん!と判断して、パラブーツ青山店(旗艦店)を訪問。オールデンがUSサイズで7.5だったからパラブーツのUKサイズで7.0くらいになると予想していたんだけど、店で足を測り直した結果、UK6.5になりました。ところが今度はUK6.5サイズのマロンが青山店に在庫が無い。店員が他店舗に連絡をとり「札幌店に在庫がある」ことが判明。取り寄せて後日自宅に届けて頂くように依頼しました。その時青山店では別カラーのUK6.5を試着していてフィッティングに問題は無かったのですが、「同じUK6.5でも個体差がありますので、ご自宅に届いた靴がどうしてもフィットしない場合は返品して頂いて構いませんよ。お金も払い戻し致します」とフォローして頂きました。この辺のホスピタリティ?はさすが旗艦店と言ったところでしょうか。

ジャケット:Barbour
ベスト:Inspire
シャツ:Beams
パンツ:Engineered Garments
さて自宅に届いたシャンボードですが、新品の靴特有の革の硬さは仕方なかったとしても、フィッティングは問題なし。左足に合わせてサイズ調整をしたので左足の履き心地は最初から天国。踏み出す左足に靴の重さを全く感じないレベル。右足は紐を締めても若干の隙間ができてしまい、しばらくの間は靴擦れと格闘していた。また外羽根が中央でくっついてしまったので、タンの裏にパッドを貼って対処。靴クリームはライトブラウンとミディアムブラウンを半分ずつ混ぜた色にしてメンテしています。
[5項目自己採点(25点満点)]
ルックス:4.5
履き心地:4.0
汎用性:4.0
コスパ:3.5
満足度:4.0
合計:20.0
⑤【オールデン 966】

メーカー:Alden(アメリカ)
型番/通称:966
形式:フルブローグ
カラー:タンブラウン
サイズ:US7.5
革:バーニッシュカーフ(牛)
靴重量:1145g
野球のピッチャーじゃないけど、革靴4足あればローテーションは組める。この時点で踏み止まっておけば良かったものの、①~④までの購入及び履き慣らし、メンテナンスに至る過程で様々なファッション系情報(雑誌・ネット記事・動画)に触れる機会が増え、いつしか自分の物欲が大金シャトルでナイス姉ちゃんとディープキスインパクトするよりも革靴へとシフトするようになっていきました。そして偶然にもこれまで購入した4足でUS、EU、UKの海外適応サイズを把握することができたので、「もう大枚はたいて新品買わなくてもサイズが合ってれば中古品をネット購入しても大丈夫じゃね?」と考えるようになったのです。そんなワケで以後⑤~⑮の靴はすべて中古品のネット購入です。
それまでオールデンのフルブローグはメダリオンがつま先からカカトまで一直線に伸びている仕様(ロングウィングチップとかアメリカンブローグとも言う)しか知りませんでした。だからこの靴の販売ページを最初見た時には(メダリオンが途中で切れているので)パチモノかなと疑った。その後「オールデン 966」でワード検索して情報をすり合わせ、この靴が本物(の中古品)であることを確認。純正シューツリー付きでお手頃価格だったので購入しました。さらに手元に届いたときには純正の梱包袋、梱包箱そして替え紐まで付けて下さっていたのは嬉しい誤算でした(販売ページにはそこまで書いてなかった)。そう考えると靴単体の売値は新品の〇分の1以下じゃないか!…おっと、値段がバレるw

ジャケット:Kent Ave.
カットソー:Anatomica
パンツ:Grown & Sawn
もちろん中古靴ゆえの経年変化(劣化)もありました。ソールの減りとアッパーの雨染みです(これらは購入前に販売ページで確認済み)。購入後に地元の修理店に持ち込んで、トップリフト交換とハーフラバー装着はできたのですが、雨染み除去は無理でした。ただ変色している箇所や純正色との差から生じる違和感がそこまで酷くない(=パッと見ただけでは不摂生には見えない)と思っているので、逆療法じゃないけど雨染み箇所の上からワックス盛り盛りでギンギンに光らせることでごまかしています。
履き口が広くてワイズがE、しかもアメリカ人用のEだったので、足の横方向はスッカスカ(自分の場合はワイズDがベスト)なんだけど、アッパーがすごく柔らかくなっていて(これは前の持ち主が長く履いていた恩恵)、更にもともと甲高がそこまで高くないので、履いていて心配になるほどの違和感は感じない。ただ甲の部分の履きシワが自分のつま先に合ってなくて、俗に言う「履きシワに噛まれる」状態になっている。これはタンの裏にパッドを貼ることで解決しました。
[5項目自己採点(25点満点)]
ルックス:4.0
履き心地:3.5
汎用性:3.5
コスパ:3.5
満足度:3.5
合計:18.0
今回はここまでです。次回は購入順に⑥~⑩の計5足を紹介予定です。
そんじゃ、また☆
最初にお断りしておきますが、当記事のタイトルは某家庭用ゲーム機器メーカーとは一切関係ありません。ご了承下さい。
さて「かわぐつ=革靴」について。自分にとっては高校生時代に通学で履き潰したのを最後に今では仕事でもプライベートでも履くことが殆ど無くなった革靴。とは言え一足は持ってないと(結婚式や葬儀などの場で)流石にヤバイと感じ、数十年前に黒い革靴を買ったのが(本当の意味で)最初の一足。以後、雑誌やネット記事、業界の関連動画などの影響を受け、気が付けば靴棚は革靴で溢れかえり、今では合計15足。このままでは靴棚の肥やしにしかならず、革にカビが発生して異臭を放ち始めるかも知れない。そうなる前にこの場を借りて紹介していこうと思います。記事にすることで自分自身が革靴と向き合う機会を増やし、また新たな読者層やマニアを増やし、微力ながら経済効果も望めればなんて下心もあったりなかったり…。
購入した順番に①~⑮と通し番号を付けて紹介します。でも一度に15足全部紹介すると記事そのものが冗長になってしまうので、3~4回に分けて投稿致します。靴の写真はもちろん、着用モデルも掲載します(写真もモデルも素人です)。業界用語が頻出しますので、分からない場合はワード検索するかブラウザバックして下さい。
紹介した靴に関するレビューはあくまで個人的意見です。読者の中で同じ靴を所有している人やそれこそ業界内の人がいたとしても、それぞれの生活スタイルによって見解に差が生じてしまうことをご了承下さい。また靴そのものにも個体差があることをご理解下さい。
※モデル情報※
・身長170cm。体重70kg。
・年齢:おっさん
・見た目:おっさん
・職業:おっさん
・足のサイズ:25.5cm弱(左足のほうがやや大きい)
・体型:中年太り
①【オールデン 9901】

メーカー:Alden(アメリカ)
型番/通称:9901
形式:プレーントゥ
カラー:ブラック
サイズ:US7.5
革:コードバン(馬)
靴重量:1350g
記念すべき最初の一足。前述のとおり、結婚式や葬儀に履いて行く靴を持っていなかったことが購入のキッカケ。靴の選択において、スーツだけじゃなくデニムにも合わせられそうなワガママ仕様の靴を考えたら「黒のプレーントゥ」になって、どうせ買うなら多少高くても一生モノをと考えてファッション雑誌を読み漁った(当時の自分はネット検索できる環境が整ってなかった)結果、辿り着いたのがこの「オールデン9901」ってワケ。購入当時はオールデンのこともコードバンのこともよく知らず、正直雑誌の口車に乗せられた感は否めないが、今ではその選択が間違いじゃなかったと大満足している。
とにかく「迷ったらこれ履いておけ」と断言できるくらい、合わせられるトップス(服)の守備範囲が広い。これを履くと足元だけじゃなく全体のファッションをビシッと引き締めてくれるほどの凄みがある。何よりコードバン特有の「深い履きシワ」と「シワの線に沿って波のように照り返す奥深い艶」が素晴らしい。今回紹介する中で一番ヘビロテしている靴(単にコレクションの中で一番古いからってだけではない)。高い買い物だがそれでもキチンと回収できるだけのパフォーマンスがある。

カットソー:Saint James
ジーンズ:Red Card
欠点を挙げるとすれば、傷や汚れが付かないように(他の革靴よりも)過度に気を使ってしまうことや、ファッション全体が引き締まりがちになるために独特の「抜け感」を演出しにくいこと。雨の日に履けないこと。そして何より材料の希少性や為替レートの都合、更には「オールデンと言えばコードバン。コードバンと言えばオールデン」とまことしやかに囁かれるブランド信仰により、現在では「清水買い」レベルに値段が上がっていることでしょうか(品質相応とはとても言えないレベルで…おっとw)。
※どーでもいい(大事な)情報※
コードバン(馬)に限らず、革製品の「元」となる動物は初めから革製品用として飼育されてはいない。それが野生動物であろうが革製品のために動物の命を奪う行為は世界レベルで禁止されている。だから世に出ている革製品の元の動物は食用として命を奪われた動物だったり、事故や病気や老衰で命を奪われた動物だったり、それらの皮を頂戴して加工されている。ちなみに最近のトレンドである「ウマ娘」に絡んで話すと、競走馬の皮はコードバンの加工には不向きで、実際のコードバンは農耕馬の皮を加工しているらしい。先述の「材料の希少性」とはすなわち農耕馬がどんどん減っている(=機械農耕に移行している)ことに起因している。
[5項目自己採点(25点満点)]
ルックス:4.5
履き心地:4.5
汎用性:5.0
コスパ:4.5
満足度:5.0
合計:23.5
②【ジャラン・スリウァヤ 98551】

メーカー:Jalan Sriwijaya(インドネシア)
型番/通称:98551
形式:プレーントゥ
カラー:ボルドー
サイズ:EU40
革:コードバン(馬)
靴重量:1042g
先述の「①オールデン」を、いや正確にはコードバンの靴を非常に気に入ってしまい、色違いでもう一足買ってローテーションしようかなんてアホな考えまで巡っていました。なぜアホなのか?…今も昔も貧乏サラリーマンの自分にとってオールデンのコードバンは2足目3足目とホイホイ買えるような金額ではないからです(コードバンの靴が高額なのは何もオールデンに限った話ではない)。
そんなある日のこと、本屋でファッション雑誌を立ち読みしていると(買えよw)、「コードバンのプレーントゥがオールデンの半額以下」との記事を発見しました。価格はもちろんのこと「限定100足」の謳い文句に負け(オタクは「限定」の二文字に弱い)、記事の情報を脳内インプットして本屋を離れ(だから雑誌買えよw)、その週末に取扱店(渋谷)まで行って指名買いしました。
※インドネシアは革靴に関税がかからないため、安く購入できます。
外観や手触りから「①オールデン」にコードバンを卸しているホーウィン社とは別のタンナー製のコードバンを使用しているんだろうなとはすぐ気付きました(後にCOMIPEL社のものと判明)。オールデンを贔屓するワケじゃないが、個人的にはホーウィン社のコードバンのほうが好きかも。「①オールデン」に比べてトップリフトがやや高く、甲のスペースに少し余裕があり、これらが履き心地にビミョーな差を生み出している。

ジャケット:Kinloch Anderson
Tシャツ:Champion
パンツ:Journal Standard Relume
写真では分かりにくいが実物の靴のボルドー色は陽に当たると赤味が強く映えてしまい、トップス(服)とのバランスが崩れる傾向がある。もっとたくさん履き込んで(経年変化させて)、履きシワがより深くなり、色味がより渋くなってくれれば、コーディネートの幅も広がるかも知れない。そんな期待も込めて、靴クリームにはバーガンディ色のものに少しだけ黒を混ぜた色を使ってメンテしている。
[5項目自己採点(25点満点)]
ルックス:3.5
履き心地:4.0
汎用性:3.0
コスパ:3.5
満足度:3.0
合計:17.0
③【レッドウィング ベックマン】

メーカー:Red Wing(アメリカ)
型番/通称:9011/Beckman
形式:ワークブーツ
カラー:ブラックチェリー
サイズ:US7.0
革:フェザーストーン(牛)
靴重量:1458g
正しくケアさえすれば多少の雨ならスムースレザーの靴でも大丈夫。とは言え誰が好き好んで最初から雨の日にスムースレザーの靴を履くのか。ましてやコードバンにとって雨は大敵である。革が水を吸って膨張して艶が無くなり、そのまま放置すると雨染みやカビの原因にもなる(後者はコードバンに限った話ではないが)。雨の日でも気兼ねなく履ける革靴がないか調べて、辿り着いた答えがワークブーツでした(振れ幅大き過ぎィ!)。
購入当時、自分の生活スタイルの中にワークブーツは入っていませんでした。「脱着が大変そう」とか「持ってる服に合わせにくそう」ってのが原因です。気持ちが定まらないまま渋谷のレッドウィング取扱店を訪問。ベックマン実物を手に取り、店員の話を聞き、試着して、見た目と雰囲気に惚れて、結局即日購入しました(ちょろインw)。試着の時にも感じたが、予想通り脱着は他の靴より遥かに面倒。出先で座敷に上がる用事とかあったら詰みですね。まぁその不器用さとか堅牢さとか無骨さがベックマンの魅力なんだけどw

ダウンベスト:Remi Relief
カットソー:Saint James
パンツ:Dickies
自分が購入した頃のモデル「90XX(=9000番台)」はソールがウレタン製でした。ウレタンは時間経過とともに加水分解を起こし、ボロボロと剥がれ落ちる性質があります。これは靴を履こうが履くまいが起こってしまうワケで、自分のベックマンも例外なくソールが剥がれ落ちました。つーことで地元の修理店にリペアを依頼。ビブラムソールに付け替えて頂きました。
※現行モデル「94XX(=9400番台)」はソールがラバー製なので加水分解の心配なし
靴購入と合わせてメンテ用のミンクオイル(缶入りペースト)を購入したのだが、後から調べたところ、「日本の気候(湿度)ではミンクオイルを塗りすぎるとカビやすくなるかも」って情報を知り、今はメンテ時にレザーミルク(靴だけじゃなく革ジャンや財布などあらゆる革製品に適応のタイプ)を使用している。で、先のミンクオイルは靴紐に塗って補強や保湿をしています。これならベックマン以外の靴紐にも使える♪
※ミンクオイルは上手に塗れば革の保護・保湿、そして革を柔らかくして履き心地を良くする効果が望めます
[5項目自己採点(25点満点)]
ルックス:4.5
履き心地:3.0
汎用性:2.5
コスパ:3.5
満足度:4.5
合計:18.0
④【パラブーツ シャンボード】

メーカー:Paraboot(フランス)
型番/通称:710708/Chambord
形式:Uチップ
カラー:マロン
サイズ:UK6.5
革:リスレザー(牛)
靴重量:1163g
先述の「③ベックマン」はポテンシャルもパフォーマンスも素晴らしいのだが、冷静に考え直してみると、雨の日用として選んだ靴とは言え流石に(ドレスシューズからワークブーツへと)振り切ったベクトルが激しかった。そこでもう少し気軽に履ける全天候型の革靴は無いものかと調べてみて、某ファッション系動画で採り上げられていたこの靴にひと目惚れしたワケ。シャンボードの茶系にはマロン(茶)とカフェ(濃茶)の2種類があり(他に黒と紺がある)、経年変化でアッパーが濃い色に変化するのを考慮してマロンを選択。カフェの経年変化もグッと渋く深い濃茶になるのは予想できたし、それはそれで魅力あったんだけど、マロンのほうが色の経年変化が分かりやすくて楽しめるかなと考えました。
※気軽に履ける靴を探していたのに、辿り着いたシャンボードは気軽に買える価格帯ではなかったと言うオチw
先の①~③を購入した時には横浜に住んでいたので都内にある各メーカーの取扱店まで行くのは楽だったのだが、その後茨城(の県庁所在地じゃないところ)に移住したためにメーカー取扱店が自宅から非常に遠くなってしまった。これなら水戸にある取扱店と都内にある旗艦店を比べても行く時間と距離も変わらないじゃん!と判断して、パラブーツ青山店(旗艦店)を訪問。オールデンがUSサイズで7.5だったからパラブーツのUKサイズで7.0くらいになると予想していたんだけど、店で足を測り直した結果、UK6.5になりました。ところが今度はUK6.5サイズのマロンが青山店に在庫が無い。店員が他店舗に連絡をとり「札幌店に在庫がある」ことが判明。取り寄せて後日自宅に届けて頂くように依頼しました。その時青山店では別カラーのUK6.5を試着していてフィッティングに問題は無かったのですが、「同じUK6.5でも個体差がありますので、ご自宅に届いた靴がどうしてもフィットしない場合は返品して頂いて構いませんよ。お金も払い戻し致します」とフォローして頂きました。この辺のホスピタリティ?はさすが旗艦店と言ったところでしょうか。

ジャケット:Barbour
ベスト:Inspire
シャツ:Beams
パンツ:Engineered Garments
さて自宅に届いたシャンボードですが、新品の靴特有の革の硬さは仕方なかったとしても、フィッティングは問題なし。左足に合わせてサイズ調整をしたので左足の履き心地は最初から天国。踏み出す左足に靴の重さを全く感じないレベル。右足は紐を締めても若干の隙間ができてしまい、しばらくの間は靴擦れと格闘していた。また外羽根が中央でくっついてしまったので、タンの裏にパッドを貼って対処。靴クリームはライトブラウンとミディアムブラウンを半分ずつ混ぜた色にしてメンテしています。
[5項目自己採点(25点満点)]
ルックス:4.5
履き心地:4.0
汎用性:4.0
コスパ:3.5
満足度:4.0
合計:20.0
⑤【オールデン 966】

メーカー:Alden(アメリカ)
型番/通称:966
形式:フルブローグ
カラー:タンブラウン
サイズ:US7.5
革:バーニッシュカーフ(牛)
靴重量:1145g
野球のピッチャーじゃないけど、革靴4足あればローテーションは組める。この時点で踏み止まっておけば良かったものの、①~④までの購入及び履き慣らし、メンテナンスに至る過程で様々なファッション系情報(雑誌・ネット記事・動画)に触れる機会が増え、いつしか自分の物欲が大金シャトルでナイス姉ちゃんとディープキスインパクトするよりも革靴へとシフトするようになっていきました。そして偶然にもこれまで購入した4足でUS、EU、UKの海外適応サイズを把握することができたので、「もう大枚はたいて新品買わなくてもサイズが合ってれば中古品をネット購入しても大丈夫じゃね?」と考えるようになったのです。そんなワケで以後⑤~⑮の靴はすべて中古品のネット購入です。
それまでオールデンのフルブローグはメダリオンがつま先からカカトまで一直線に伸びている仕様(ロングウィングチップとかアメリカンブローグとも言う)しか知りませんでした。だからこの靴の販売ページを最初見た時には(メダリオンが途中で切れているので)パチモノかなと疑った。その後「オールデン 966」でワード検索して情報をすり合わせ、この靴が本物(の中古品)であることを確認。純正シューツリー付きでお手頃価格だったので購入しました。さらに手元に届いたときには純正の梱包袋、梱包箱そして替え紐まで付けて下さっていたのは嬉しい誤算でした(販売ページにはそこまで書いてなかった)。そう考えると靴単体の売値は新品の〇分の1以下じゃないか!…おっと、値段がバレるw

ジャケット:Kent Ave.
カットソー:Anatomica
パンツ:Grown & Sawn
もちろん中古靴ゆえの経年変化(劣化)もありました。ソールの減りとアッパーの雨染みです(これらは購入前に販売ページで確認済み)。購入後に地元の修理店に持ち込んで、トップリフト交換とハーフラバー装着はできたのですが、雨染み除去は無理でした。ただ変色している箇所や純正色との差から生じる違和感がそこまで酷くない(=パッと見ただけでは不摂生には見えない)と思っているので、逆療法じゃないけど雨染み箇所の上からワックス盛り盛りでギンギンに光らせることでごまかしています。
履き口が広くてワイズがE、しかもアメリカ人用のEだったので、足の横方向はスッカスカ(自分の場合はワイズDがベスト)なんだけど、アッパーがすごく柔らかくなっていて(これは前の持ち主が長く履いていた恩恵)、更にもともと甲高がそこまで高くないので、履いていて心配になるほどの違和感は感じない。ただ甲の部分の履きシワが自分のつま先に合ってなくて、俗に言う「履きシワに噛まれる」状態になっている。これはタンの裏にパッドを貼ることで解決しました。
[5項目自己採点(25点満点)]
ルックス:4.0
履き心地:3.5
汎用性:3.5
コスパ:3.5
満足度:3.5
合計:18.0
今回はここまでです。次回は購入順に⑥~⑩の計5足を紹介予定です。
そんじゃ、また☆
